人工皮革の特徴と洗濯前の確認

人工皮革は、立体的な繊維の土台に樹脂を組み合わせ、天然皮革に近い構造を目指した素材です。 手入れを決めるときは、素材のブランドや品番と、完成した製品の取扱表示を確認します。 「生地が洗える」という説明だけで、バッグや衣類を丸ごと洗う方法は決められません。

えんじ色のランドセルと、裏地と無記入の表示ラベルが見える灰色のスエード調衣類
ランドセルとスエード調の衣類(イメージ)

土台の構造と表面の仕上げ

クラレは、人工皮革〈クラリーノ®〉について、ナイロンやポリエステルの不織布に、ポリウレタン樹脂を含ませて作ると説明しています。 繊維の立体構造を土台にする点が、同社が比較している織物や編物を土台にした合成皮革と異なります。

表面の見た目は、素材の構造とは別に確認します。 人工皮革にも、革らしい表面を作る銀付きタイプと、表面を起毛させるスエード調タイプがあります。 東レのウルトラスエード®には、スエード調の生地に加え、レザー調のnu 1.0もあります。

スエード調に見えても、動物の皮から作ったスエードと同じ素材とは限りません。 見た目で用品を選ぶ前に、商品説明や表示で人工皮革か天然皮革かを確かめます。

生地単体の洗濯条件と、完成品の指定

東レの公式販売サイトは、ウルトラスエード®の生地単体なら水洗いが可能とする一方、裏地、芯地、ファスナー、ボタンなどが付く場合は、それらの洗濯条件も考慮するよう案内しています。 同じ素材名でも、完成した製品の洗濯条件は別に確認する必要があります。

例えばスエード調のジャケットは、表地だけでなく裏地と付属品も一緒に手入れします。 メーカーの生地の説明と、ジャケットの取扱表示が合わないように見えるときは、製品の購入店へ確認してから洗濯方法を決めます。

スマートフォンでは表を左右に動かせます。

確認する対象公式案内の例適用を広げない範囲
ウルトラスエード®の生地単体水洗いの案内がある。裏地や付属品が付いた完成品は、製品の洗濯条件も確認する。
〈クラリーノ〉製ランドセル雨濡れは乾いた布で拭き、汚れは薄めた中性洗剤と固く絞った布で手入れする案内。表面の手入れを、ランドセルの丸洗いの許可とは読み替えない。
デサントの人工皮革を使ったバッグ水や薄めた中性洗剤を含む布を絞って拭き、洗剤を残さない案内。別ブランドや、素材の分からない内装へ同じ方法を適用しない。

ランドセルやバッグは、洗濯できる衣類と同じ手順で扱わないようにします。 手元の製品の品番を確認し、表地の汚れ落とし、内装の手入れ、丸洗いの可否をそれぞれ購入店やメーカーへ聞きます。

ドライクリーニングを依頼する前に

ウルトラスエード®の公式販売サイトには、石油系ドライクリーニングが可能という案内もあります。 これは該当する生地の説明です。 人工皮革という名称だけで、別の素材や完成した衣類のドライクリーニング可否を決めないでください。

衣類を依頼するときは、取扱表示の写真、素材名、気になる汚れの位置を用意します。 裏地や装飾も含めた処理方法と、落とせる汚れの範囲、色や風合いが変わる可能性を店へ確認します。 家庭で先に薬剤を使った場合は、その名前と処置した場所も伝えます。

古い素材名や寿命の説明を読むとき

東レは、ファッション、インテリア、自動車内装の用途では、2013年にブランドをウルトラスエード®へ統一したと説明しています。 現在のエクセーヌ®は工業材料の用途で使われる名称です。 以前の製品の素材名がエクセーヌでも、現在の別品番の手入れをそのまま適用せず、購入時の取扱表示を確認します。

同社は、使用状況や保管状況、用途ごとの仕様が異なるため、ウルトラスエード®の耐久性を一律の年数で保証していません。 人工皮革全般が天然皮革より早く傷むと順位を付けるのではなく、選ぶ製品の仕様、用途、手入れの条件を比較します。

例えば毎日使うバッグなら、持ち手や内装を交換できるかも購入前に聞きます。 使用中に毛並み、色、縫い目や内装に変化が出た場合は、経過と写真をメーカーへ伝え、素材の変化と部品の故障を分けて相談します。

素材と製品の条件を確認する公式資料

同じ人工皮革でも、各社が示す素材や製品の範囲を確かめて参照してください。

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