もみ革とは? シボ加工の違い、選び方と手入れ

もみ革は、革をもんで表面にシボと呼ぶしわ模様を付けた革です。 柔らかな手触りと凹凸の表情が特徴ですが、原料や塗装、型押しの有無は加工名だけでは分かりません。 財布やバッグは使う部分の作りも比べ、手入れは表面の仕上げに合う方法を選びます。

細かなシボのある茶色のバッグと、横に置いたブラシと白い布
シボのあるバッグと手入れ用の道具(イメージ)

もみ革とは、革をもんでシボを付けた革

もみ革(揉み革)は、なめした革をもみ、表面に細かなしわ模様を付けた革です。 この凹凸をシボと呼びます。牛革などの原料名ではなく、加工を表す名前です。 製品を選ぶ際は「もみ革」という表示に加え、原料の革と表面の仕上げを確かめてください。

しぼ付けでは、革の表側である銀面を内側に折り、裏から板や機械で力を加えてしわを広げます。 革の柔らかな感触とシボの表情を引き立てる加工で、方向を変えてもむと模様も変わります。 一方向に付ける水もみ、直交する方向に付ける角もみ、さまざまな方向に付ける八方もみなどがあります。

もみ仕上げは、塗装や型押しの後に行うこともあります。 「もみ革だから無塗装」「シボが不ぞろいだから型押しではない」とは判定できません。 写真で加工を見分けようとするより、販売店に加工法と仕上げを尋ねるほうが、用品も選びやすくなります。

もみ、空打ち、シュリンク、型押しの違い

シボのある革は、もみ以外の方法でも作られます。 空打ち(ミーリング)は、革をドラムの中でかき混ぜてほぐす加工です。 タンナーの山陽は、繊維の方向に沿った縮みと柔軟化を生む方法として案内しています。

シュリンクは、銀面を収縮させて元の模様を強調する加工です。 なめし剤などを使う方法のほか、長時間の空打ちで似た表情になる場合もあります。 型押しは、模様のある型を使って凹凸を付ける方法です。 商品名の「シュリンク」には型押しのシュリンク柄もあるため、呼び名だけで製法を決めないでください。

表は左右に動かせます。

加工模様を付ける方法購入前に聞きたいこと
もみ折り曲げる位置や方向を変えてしわを広げる。型押しや塗装を併用しているか。
空打ちドラム内で革をかき混ぜ、ほぐす。実物の柔らかさと、部位ごとの表情。
シュリンク銀面を収縮させ、元の模様を強調する。収縮加工か、型押しのシュリンク柄か。
型押し型で模様を付ける。原料の革、塗装、もみなどの後加工。

これらの加工は組み合わせる場合があります。 仕上がった革の手触りや硬さは厚みや塗装にも左右されるため、加工名の違いを、そのまま品質や価格の順位にはできません。

財布とバッグは、使う部分の厚みと構造も比べる

柔らかな手触りの財布が欲しいときは、外装だけでなく、折り目、カード段、小銭入れの素材も確かめます。 カードを入れた厚みや口の開き方が分かる写真を選び、外装の柔らかさだけで使いやすさを決めないでください。

バッグなら、自立させたいか、体に沿わせて持ちたいかを先に決めます。 底板や芯材の有無、持ち手の付け根、荷物を入れたときの形を比較してください。 通販では「中身を入れた写真はありますか」「自立しますか」「外装と持ち手の素材は同じですか」と尋ねると、使う場面を考えやすくなります。

シボの大小や不ぞろいな模様だけでは、製品の欠陥とは限りません。 気になる個体差があるときは、届く個体の写真や許容される範囲、返品条件を購入前に尋ねます。 裂けや縫い目のほつれ、表面の剥がれは模様とは別に見てください。 シボがあっても傷や水濡れを防げるとは限らず、耐水性はその製品の案内で確かめます。

シボの溝は、強くこすらずほこりを払う

普段の手入れは製品指定の方法を優先し、乾いた柔らかい布などでほこりを取ります。 溝にほこりが残り、ブラシの使用が認められている表革なら、柔らかなブラシを軽く当てます。 硬いブラシや爪で溝をこすって、汚れを削り取ろうとしないでください。

  1. 中身を出し、内装と外装の素材を確かめる。外装用の用品を内張りへ塗らない。
  2. 柔らかな面は内側から支え、元の形を崩さず、なでるようにほこりを払う。
  3. シボの溝、縫い目、持ち手の付け根を軽く手入れする。色移りやツヤの変化が出たら止める。
  4. 落ちない汚れは、付いたものと表面の仕上げを確かめ、指定の処置や相談先を選ぶ。

土屋鞄の「トーンオイルヌメ」向け案内は、馬毛ブラシでシボの向きに合わせて優しく手入れする方法を示しています。 同シリーズのピッグスエードの内装にはオイルを塗れません。 同じバッグの中でも素材により処置が違うため、このシリーズ用のクリームや内装の清掃方法を、別の製品へそのまま当てはめないでください。

クリームを使う前に、仕上げと目的を合わせる

「もみ革用」という呼び名より、用品の対象素材と対象製品を先に読みます。 汚れ落としのクリーナーと、保湿やツヤ出しのクリームは用途が違います。 黒ずみを保革クリームで隠す、溝が埋まるほど塗り込む、といった使い方は避け、製品と用品の指定量に従ってください。

コロニルの共通注意では、素材の仕上げや個体差によってシミや色落ちが出る場合があり、目立たない場所での試し使いが必要です。 バッグや財布のメーカーがケア用品を推奨していない場合もあります。 素材表示が分からない、マットな風合いを変えたくない、淡い色の革に使う場合は、販売店に適合する用品を尋ねてから使ってください。

布での手入れで色が抜ける、表面が剥がれる、べたつく場合は、クリーナーや保革剤を追加せず相談します。 購入店に、製品名、気になる場所の写真、付いたもの、使った用品を伝えると、次の処置を相談しやすくなります。

加工と手入れの参考資料

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