豚革(ピッグスキン)の特徴と手入れ、内装の注意

豚革(ピッグスキン)は、3つずつまとまった毛穴が特徴の天然皮革です。 軽さや通気性を活かし、靴の内張り、バッグの内装、衣料、小物などに使われます。 手入れは表革か起毛革かを確かめ、外装と内装で使う用品を分けてください。

起毛した明るい内装が見える茶色のバッグと、横に置いた白い布
起毛した内装のバッグ(イメージ)

豚革の毛穴と、軽さを活かした用途

豚革(ピッグスキン)は、豚の皮をなめして作る天然皮革です。 3本ずつまとまった毛の跡があり、毛穴が皮の厚さ方向に貫通する構造が特徴です。 表面を活かす革のほか、細かな毛羽を付ける起毛革などにも加工されます。

薄く軽い仕上がりや通気性を活かし、靴の内張り、バッグの内装、衣料、小物などに使われます。 ただし、製品の重さや柔らかさは厚み、塗装、裏地や芯材によって変わります。 「豚革だから軽い」と決めず、購入候補の重量と構造を比べてください。

毛穴の並びは素材を知る手掛かりですが、写真だけで豚革や品質を確定する方法にはできません。 型押し、プリント、箔などを施した革もあり、表情は加工によって変わります。 動物の種類は素材表示や販売店の案内で確かめ、水滴や熱、傷を付ける試験で調べないでください。

東京では豚革が製造され、東京都立皮革技術センターがプリントや箔など多様な加工を紹介しています。 一方、製品の「日本製」だけでは原皮や革の加工地まで読み取れません。 産地を選ぶ条件にするなら、原皮、なめし、製品の縫製のどの段階を指すかを尋ねます。

豚革とピッグスエードは、表面の仕上げを分けて読む

ピッグスエードは、豚革を起毛させて作る、細かな毛羽のある革です。 「豚革」は動物の種類、「スエード」は仕上げの呼び名なので、どちらも同じ製品の説明に使われます。 表面に毛羽があるか、塗膜や箔があるかで、使える道具や用品が変わります。

表は左右に動かせます。

素材や仕様の表示見たい部分手入れ前の確認
表面を活かした豚革塗装、ツヤ、型押し、箔などの有無。布での手入れと、クリーナーや保革剤が使える仕上げか。
ピッグスエード短い毛羽と、押された部分や擦れた部分。起毛革用の道具が使えるか。表革用クリームを塗らない。
豚革の内装表革か起毛革か。接着、芯材、ポケット、外装との境目。内装に使える方法か。外装の用品をそのまま流用しない。
撥水や洗える仕様対象となる部位と、製品全体の取扱表示。素材の加工だけか、完成品の洗濯まで認められているか。

起毛した内装に撥水加工があるなど、これらの仕様は組み合わされることがあります。 「豚革用」という一つの手入れ方法にまとめず、仕上げと使われる場所を合わせて扱ってください。

バッグのピッグスエード内装に油を塗らない

バッグは外装と内装で素材が違うことがあります。 土屋鞄の「トーンオイルヌメ」向け案内では、内装にピッグスエードを使用し、オイルなどを塗れないとしています。 外側の革に使えるクリームやオイルでも、内側へ一緒に塗り広げないでください。

  1. 中身を出し、内装の素材と取扱案内を読む。外装とポケット部分の素材も分けて確かめる。
  2. 取り外せる物だけを外し、内装を無理に引き出さない。縫い目や接着部分に力を加えない。
  3. 製品指定の方法で、縫い目や底のほこりを軽く取り除く。強くこすらず、色落ちや毛羽の変化があれば止める。
  4. インクや油などが付いた場合は、付いたものと場所を購入店へ伝える。汚れを広げる水拭きや、溶剤での拭き取りを自己判断で加えない。

同シリーズにはクラフトテープでほこりを取る案内もありますが、粘着性が強いものは表面を傷める場合があります。 別のバッグや薄い内装へ一律に適用せず、その製品で使える方法を選んでください。 ブラシやテープの指定がないときは、用品を買う前にメーカーへ尋ねます。

通気性や撥水性は、丸洗いできるという意味ではない

通気性は空気の通りやすさを示す性質であり、水濡れや洗濯への強さとは別です。 撥水加工を施した豚革もありますが、革以外の芯材、接着部分、金具などを含む製品全体の扱いは、取扱表示を優先します。 洗える素材でも、完成品まで洗えると判断しないでください。

水に濡れた場合は、まず製品の案内に従います。 エポイの天然皮革向け案内は、柔らかい布で軽くたたくように水気を取り、陰干しする方法です。 強くこすったり、早く乾かそうとヒーターなどの高温へ近づけたりしないでください。

起毛した部分には水むらや色移りが起こる場合があります。 濡れたまま淡い色の衣類や収納物と密着させず、色が付いた場合は使い続ける前に相談します。 広い範囲が濡れた、乾いた後も硬い、シミが残ったときは、製品名と写真を添えて購入店へ伝えてください。

買う前に確認したい内装の使い心地と仕上げ

バッグや財布は、豚革が使われている場所を最初に確かめます。 外装だけか内装にも使うか、毛羽のある仕上げか、持ち手や底に別素材を使うかで扱いが変わります。 軽さを重視するなら製品の重量、柔らかさを重視するなら中身を入れた形も比べてください。

起毛した内装には、収納物との摩擦もあります。 国立商店は自社のピッグスキン内装について、使い始めは機器の出し入れに抵抗を感じる場合や、硬いカバーの縁で内装に跡や擦れが生じる場合を案内しています。 機器ケースなら対応寸法だけでなく、使うカバーを付けた状態での適合も確認します。

  • 仕上げ:表面、裏面、ポケットの素材は何か。毛羽、塗装、箔のある部分はどこか。
  • 使用条件:水濡れ、色移り、摩擦の注意は何か。洗えるという表示は素材と完成品のどちらか。
  • 手入れ:内装に使える道具は何か。クリームやスプレーを避ける部分はあるか。
  • 購入後:実物の色や風合いの差、返品の条件、内装の補修や相談の窓口はどうなっているか。

豚革か牛革かという違いだけで、品質や価格の上下は決まりません。 製品の仕上げ、縫製、金具、使いたい場面への適合を比べます。

クリームは、使える表面と目的を確認してから

クリーナーは汚れ落とし、保革クリームは保湿などを目的とする用品です。 豚革という素材名だけで選ばず、製品が認める仕上げと、用品の対象素材を合わせます。 起毛革には表革用クリームやオイルを使わず、箔や特殊な塗装にはその仕上げの指定を優先してください。

コロニルの共通注意では、素材の仕上げや個体差により、シミや色落ちが出る場合があります。 使える用品でも目立たない場所で試し、乾いた後の色、ツヤ、毛羽の変化を見てから広い面へ使います。 色が抜ける、べたつく、毛羽が寝るなどの変化が出たら中止し、用品を追加せず相談します。

豚革と内装の参考資料

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